Dance Fanfare Kyoto

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川瀬亜衣(Dance Fanfare Kyoto vol.03)

個人としてダンサーとして、Dance Fanfareに参加でき、「Cardinal line 2-1」に出演できる機会をいただけて、本当に貴重な時間を過ごせました。お声掛けいただいて、ありがとうございます。

観ていただいた方々から、作品が私に合っていた、という感想をいただけ、そういう話を聞けたのはコンテの作品では初めてかもしれず、貴重な時間だったんだとあらためて思いました。

クリエイション中いたらない所も勿論あったと思うのですが、本番においてはダンサーとしての仕事ができたのではないか、と思っています。
ダンサーとしての私が持っているものや、得意とすることがあったとしたらさらにその先にあるものを、クリエイションや作品をとおして、振付家の力を大きくもらって、のばしていくこと・のばしていってもらえたことは、これからも財産です。
ダンサー一人と振付家との個人稽古も各々あったのですが、佐藤有華さんとは関心興味の矛先が近しくて、今回出会えて良かったと思っています。またこの先も一緒に作業できる機会がやってくることを密かに期待して、打ち上げ後、宮城にいくのを見送りました。

今までになかった組み合わせの座組で、作品に合うだろう出演者を選んでもいる、という現場に参加し、この形は今後も継続してあってほしいと思いました。
まだよく知らない誰か同士で組む、というのは作り手ら当事者では、なかなか出来るようで出来ないのかもと思います。
それを経験させてもらっての次の段階としては、自発的にそういった座組づくりをやっていくことだと思うのですが、 こういうふうな座組の仕方の発想と、それをやってみたらこういうことが起きることもある、ということを知れたことは、とても貴重でした。
クリエイション最中の取り組み方で、あぁそういうふうに作品のことを知っていくんだなぁと、ダンサー二人からもとても勉強させてもらえました。

稽古日数最多をたたきだしているだけあって、振付家や共演するダンサーとも、こんこんと身体をつくる・作品をつくる時間を持てました。これまで取りあげきれてなかったこと、抜け落ちていたこと、全く新しい感覚を、知れたこと・共有できたのも、じっくりと一つひとつを取り組めたからだと思っています。
決まった稽古場があり、ファンファーレ内での調整はあっても、いつも稽古場所が用意されていて、制作まわりのことも私たちは殆ど気にやむこともなくしていただけている環境は、本当に潤沢でした。
ただ、これはたぶん、やる作品に寄ると思うのですが、もっと稽古時間・期間をかけても作っていける作品なのだろうなというのが感想のひとつにあります。
それぞれ、生活費のためにも働き、それとの兼ね合いで稽古日程を組むのが一苦労ということ。この問題はつきものだと思うし、このペースで限られた時間のなか作っていくならば、もう少し期間が必要なのかもしれないと思いました。 ただ、創作を通して関西のダンスコミュニティを繋ぐ・まぜることは達成されていて、今書いていることは次の段階の話なのかもとも思います。

観に来ていただけた方から直接感想聞けた中には、とても良い感触の方も、また何か思うことがある方も、両極あって、どちらか一方に偏らないのはいいことだと思いました。
「ねほりはほり」の企画自体については、打ち上げや最終日のミーティングで少し話しましたが、作品としては、「言葉」抜きで身体本位の作品が生まれやすいのかなと感じていて、インタビューで言葉になりきらないものを何とか言葉で表現することを超えてから、上演しているからそうなりやすいのかなと勝手に思っています。ある意味で、とてもマニアックになっていける余地があるんだと思いました。だからこそ、観に来る人の意見も割れるのかもと…。
また、ダンスは難解、と言わせてしまうかもしれない危うさも一緒にありそうですが、ねほりはほりのようなストイックにダンスや身体を掘り下げる作品もプログラムにあって、もっと難しいことは手放して観はじめられる作品もあって(ただ楽しいだけで終わらず、何か残される)、何作品か観られた観客の方は良かっただろうなと思います。
クリエイション中は本当に四人だけの作業で、後半インタビュアーの方が度々観に来てくださって感想を少しずつ残してくださると、とても新鮮だったのを覚えています。

ダンサーたちは出来上がったインタビュー記事を読んで、その影響を直接受けるという形で、あまり大きく影響はなかったのですが、 今回は振付家がダンサーに対して「今のどうでしたか?」とやってみての感覚を詳しくたずねてくれ、それに対して話していました。
時々、稽古場内で共有できるぎりぎりラインの話し方になってしまったりしたのですが…、他のひとの話を自分になかった語彙で聞けるのは単純に面白かったり、自分には分からなくて少しかなしかったり、話してみないと分からないなぁという感じでいい時間でした。

とりとめもなく、まとめられてもいないのですが、、今でも上がってくる感想等などは、以上です。
次年度以降も続いていってくれること応援しています。
またダンサーとしてもまたお声掛けいただけると幸いです。

ひとまず、DanceFanfare03上演プログラム終了、お疲れさまでした&ありがとうございました。

川瀬亜衣(2015年6月)

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AUTHOR

川瀬亜衣かわせあい

ダンサー。1987年生まれ。2010年に踊り始める。2014年春「国内ダンス留学@神戸」2期生ダンサーコース修了、奨励賞受賞。千日前青空ダンス倶楽部 踊り手(水鳥) 、Ensemble Sonneサブメンバー。近年出演作品に、黒沢美香&神戸ダンサーズ『jazzzzzzzzzzzz-dance』(DANCEBOX特別企画/TPAM2015)等。2015年3月、初振付作品の上演を行う。今この瞬間にあるものを全身全霊で受容する、刻一刻と変容する身体で、人へ踊りを届ける。 (撮影:小椋善文)